作曲(DTM)歴2年目の行動記録と学んだことを紹介します
2023年1月 バラードを作る(コンペで今のレベルを思い知る)
2022年11月にプラグインに課金しましたが、ここでさらに課金をします。
初音ミクの無料版の有効期限が切れたので、有料版を購入しました。
東北きりたん、知声なども使っていくなかで、結局初音ミクが個人的に好きだと感じました。
どのジャンルの曲でも馴染む声だと思います。ボカロ文化の原点にして頂点感も好きです。
通常6万円のものがクロスグレードで8000円になる激安セールをやっていたので、このタイミングを逃すまいと購入しました。
DTMプラグイン界の慈悲深さは異常です。金欠しがちな初心者は、ありがたくセールを活用すべきです。
また、plugin boutique という人気サイトではセール状態のプラグインを簡単に検索して購入できるのでおすすめです。
こういうお得な情報は、X(旧Twitter)から入ってきます。なのでDTMerはXでの情報収集が必須と言えるでしょう。
バラードを作る
できるだけ特定の音楽ジャンルに偏ることのないように意識しながら、今回はボカロのバラードを作りました。
新しくやったことは下記の通りです。いずれも、基礎が頭に入っていればそこまで難しくないです。
- ベースライン・ストリングスの打ち込み(フィルの打ち込みやピッチベンドのやり方)
- コードのリハモ(改造)のやり方
- 転調のやりかた
ボカロの調声に苦戦する
今回は初音ミクの調声をガチでやってみました。
YouTubeのチュートリアル動画を参考にするだけでもだいぶ上達できます。
これだけで1ヶ月が消えるほど苦戦しましたが、一度コツを掴めば何年も使える技術なので焦らずに習得していきました。
創作のコツを掴む
今回つかんだコツは下記の通りです。
- 考えてから動き出すより、とりあえずやってみてあとから修正する方が簡単かつスムーズ
- 参考曲を3曲くらい見つけるとアイデアを得やすい
2023年2月 新たなコンペ参加・ミックスに再チャレンジ
2月は前回から間髪を入れず次のコンペ「ソニコン」に参加しました。
やはりこういうコンテスト情報を収集する際にもTwitterでのリサーチが欠かせません。
結果は惨敗です。レベルが高すぎました。まだまだ結果を残すには修行が足りません。
創作の気づき
今回気づいたことは下記の通りです。
- あれこれと迷いながら遠回りすることが結局近道になる。
- 0からアイデアを考えるのは無理。いろいろな作品を参考にしたほうがいい。
- 投入した時間。試行錯誤の時間の分だけいいものが生まれる。
2023年3月 ダブステミックス再チャレンジ・ボカコレに参加
DTM歴が1年を超えてもなおミックスのコツがまだ掴めず悪戦苦闘を繰り返す日々です。
今回は、音の棲み分けを意識したミックスに再チャレンジしました。
それぞれの帯域を棲み分け、音がマスキング(かぶる)かぶらないようにすることでクリアなミックスが実現できるのですが、これがなかなか難しい。
ボカコレルーキーへの初参加・結果は圏外
1月に作成した初音ミクのバラードで「ボカコレ」というイベントにルーキー部門で参加しました。
ルーキーでもクオリティの高い作品を挙げる猛者が多く、ランキング入りするだけでも大変だとわかりました。
DTMを極める者としては、いつか結果残してみたいです。
作曲歴1年を超えてもまだ思うように音圧が上がらなくて困っていましたが、ある気づきを得たことである程度の音圧アップが実現できました。
その気づきとは、「低音の音量は聞き取れるくらい大きくすることと、周波数の隙間を埋めるようにすること」です。
作曲を始めたての人にはこの説明は伝わらないかもしれませんが、
- 人の耳は低音ほど聞き取りにくいので、低音をしっかり聞き取れるように出す。
- 曲の周波数の器に音がちゃんと詰まっているから音圧が高いと言えるわけなので、それぞれの周波数の音量をしっかり出して隙間がないようにする。(サチュレーションやPAD音源を駆使する)
- 音選びの時点で、なるべく帯域が被らないようにする。
- コンプレッサーで飛び出たピーク波形をしっかり潰す
- いらない周波数はしっかりカットする
- マスキングしている音を削りすぎないようにする。(音を削りすぎると良くない)
上記を意識すると、かなり音圧を上げることが可能になりました。
「なんか音がスカスカだなー」と感じたときは、周波数の隙間を埋めるPADを入れてみると良い感じになります。
逆に、音が飽和しているときはどこかの音を削らなければ音圧は上がりません。
ここに関しては、経験や知識を積まないと難しいところです。
まだまだプロの音にはならないので、修行を続ける必要がありそうです。
2023年4月 コンペに参加・EDM風のボカロに挑戦
2023/8/31に初音ミクが16周年を迎えるにあたり、初音ミクが歌唱する楽曲のコンペが開催されました。
これは参加するしかない。ということで、ボカロを1曲仕上げることにしました。
コード理論を再度1から勉強し直す
コード理論大全を購入し、1から本格的にコード理論を学び始めました。
YuTubeで基礎的な内容は頭に入っているので、専門用語が出てきても理解することができました。
例えば、「Cメジャースケールでトニックに対し短9度の響きを作るFが含まれるコードはその特性ゆえ不安定でドミナントかサブドミナントになる」など、
初耳な知識も盛りだくさんです。
今月の気付き
- 音圧を上げるためには、波形が極端に飛び出た部分を抑えるピーク処理をしっかり行うことが重要
- 普通のEQではなく、ダイナミックEQも活用することで無駄のない音のカットができる
- ボカロの調声ではPCに負荷がかからないようにオケを1つに書き出しまとめておいたほうがいい
- モチベが下がったら、無理に作業せずやる気が出てくる動画などのコンテンツを見て気持ちを高めるといい。
- 初音ミクはいくつものハモリ素材を重ねて(レイヤーさせる)ことでいい感じになる。
2023年5月 初音ミクの楽曲制作で1ヶ月以上を消費する
初音ミク(ミクノポップ)の応募作品を4月中に作りきれず、5月にも持ち越し制作です。
はじめてのチャレンジは苦しみとの戦い。かなり疲弊します。
自分の持ちうる最大限の力を振り絞って完成したのがこちらです。
(作った後に「これは駄作だ」と気づきましたが記録のため公開します)
Auto-Tune Access(7000円)
ミクノポップ(EDMっぽい初音ミク)の声をケロケロさせるために必要だったので購入しました。
「DTMトラック制作術」という書籍で新たな知識をインプットしました。
プロの音はトラック数が多い。という話が中心で、どのように音を重ねていいかのアドバイスが有益です。
今月の気付き
- EDMで使われている音源への理解を進める
- ピアノバッキング(伴奏)のパターンを覚えていく
- 音に深みを持たせるトラックの重ね方を勉強する
- 曲にスパイスを与えるFXの使い方を試行錯誤する
2023年6月 好きな曲を自由に作る①
締め切りに追われる創作活動の連続でしたが、しばらくは自由に制作するフェーズに戻ります。
去年も挑戦したニュージャックスイングの2回目にリベンジします。
今回は、R&Bなので「英語を使った作詞」に初挑戦しました。(英語に詳しくないが頑張った)
どうせなら、周りと差別化してR&B寄りのおしゃれな初音ミクを開拓していくことにしました。
架空のアニソンを投稿するというイベントがやっていたので参加しました。
今まで学んだ経験を活かすことで、スピード感を持って制作できました。(3日くらいで作詞作曲からミックスまで行う)
去年の梅雨に作った曲をリメイクしているので、歌詞はほぼ使い回しです。
アプリなのにレジェンドシンセ「MInimoog」さながらの良い音がなるシンセサイザーがAppleストアで1500円だったので、これは買うしかないと言うことで買いました。
ニュージャックスイングのベースもこの音ですし、レトロな音楽を作るためには欠かせません。
ありがたいことに、プロのマスタリングをAIが再現してくれるOzone 10が月3000円で利用できるサブスクが登場しています。
3日間は無料なのでありがたく活用しました。
金欠でも一時的にこういったサブスクを活用すれば高品質なプラグインが使えるのはありがたいですね。
今月の気付き
- とにかく手を止めないことが大事(行き詰まったら別のできることをやって外堀から埋めていくイメージ)
- お手本に影響されすぎず、自分のセンスを信じる。自分がかっこいいと思うものを作る。
- 今あるもので一番かっこいいものを作ることでDTMは上達していく。
- テンションコードを使って作曲する(R&Bは複雑なコードを多用するため、難易度が高い)
- 試行錯誤を繰り返すことで作品が形になっていくので「手が止まる」というのは基本あり得ない。
- アイデアは出すものではなく、作業しながら降ってくるもの。
2023年7月 耳コピをやってみる
R&Bのボカロ制作が難行したので月をまたいで持ち越し制作しています。
耳コピDTMを開始する
ここで、既存の曲をそっくりそのまま作る耳コピDTMにもチャレンジしてみました。
音源やコードの聞き分け、エフェクトのかかり具合を真似することなどが難しいですが、オリジナル曲の制作ではできない経験ができるので作曲スキルが上がるのは間違いありません。
- むやみにエフェクトをかける必要はない。(加工なしでも曲のバランスが良ければそれでいい)
2023年8月 R&Bでボカコレ夏に参加する(挫折)・テクノポップを作る
制作に2ヶ月以上かかった作品をようやくここで公開しました。(8/5日に公開)
やはり、締め切りがあると頑張れますね。
ただ夏バテもあり連日徹夜が続きメンタル的にもキツかったです。
徹夜で目が疲れメンタルが死んだので、しばらくは夜に液晶を見ない生活をしつつ、切り替えて8月はテクノポップを意識したEDMを制作していきます。
- まずは情報収集と参考曲の分析からすべし。いきなり打ち込みをやろうとしない。
- パズルのように思いつく限りアイデアをすべて試し、外堀を埋めれば曲の形が見えてくる。
- とにかく手を止めずに作り続けなければ方向性が見えない。
- 洋服の試着と同じ。なんでも試してみて曲に馴染むまで何度もトライ&エラーするのが近道。
- 1曲作ろうとするうちに飽きてきたら、同時進行で何曲も作ればいい。(その日の気分で作る曲を変える)
- サンプル選びに時間をかけすぎてはいけない。どうせ選べるのは1つ。違和感がないならスパッと決める。
- コード、リズム、メロディを作ればいくらでもあとから曲を装飾できる。難しく考えず作ればいい。
- 駆け出しDTMerは賞レースで成績を求めると病む。楽しめないならレースに参加しない方がいい。
- 成績を残すためには数多くの絶望をくぐり抜けなければならない。最初に覚悟しておいた方がいい。
コンペで入賞できない理由は単純
コンペで結果を残せないのは、傾向と対策をしっかりしていないからです。
入賞に値するクオリティに達していないから、選ばれない。
本気で受賞を狙うのであれば、プロにミキシングを外注したりして作品のクオリティを妥協しないことが不可欠です。
地に足をつけないと、クオリティが低いまま入賞を狙うという残念な期待をしてしまいます。
とはいえ、参加するだけでも刺激を受けて楽しかったりするので、初心者はコンペに参加するだけでも意義があると思います。自分はそうしています。
2023年9月 テクノポップを作る②&シンセサイザーVの導入
8月に作っていたテクノポップが完成しなかったので9月に持ち越し制作です。
レベルアップしたいので1ヶ月に2-3曲は作っていきたいところです。
ミキシングがいまだになんもわからん状態なので、書籍を2つ買って新たに勉強をしました。
むずすぎます。上達できる気がしません。
しかし、新たにコツのようなものを掴んできました。
- 不必要にEQやコンプをかける必要はない、フェーダーバランスとPan振りをしっかりとするだけで音圧は上がる。逆に、ここができていないと音圧は上がらない
- 特定の波形が飛び出して(ピークが大きすぎて)音圧アップを阻害している部分を探してコンプレッサーで平らに潰すピーク処理は重要な工程となる
DTMerの最強兵器とも言える革命的なツール「シンセサイザーV」をついに購入しました。
金銭的にはかなり苦しい決断でしたが、その価値はあります。
優秀なボーカリストが仲間についたようなものです。
この月に音楽配信で8000円の収益が出ました。
今までは総収益が300円とかでしたが、今月いきなり数値が跳ね上がる奇跡が起きました。(中国で謎の大量視聴があったようです)
奇跡か、もしくは何かの間違いとしか思えませんが、素直にこれを喜び、下がり気味だった士気が少し回復しました。
(やはりこれは一時的なバブルだったようで、次の月には同じほどの収益はありませんでした)
- メロディは1日で全部考えるくらいのスピード感でやらないといつまでも完成しない。
- コード、メロディ、リズム、ベースさえできれば完成まで早い。音色選びとかはあとでいい。まずはここを完成させる。
- プロは仕事で1ヶ月に15曲とか平気で書いているらしい。
- ちゃんと時間を費やせば曲の完成は早く終わる。遅くなる要因は作業から逃げてる自分だけ。
- 正解はないのでもっと自分のセンスを信用していい。(参考曲を絶対視しない)
- 1曲につき必ず1個はどこかしらで成長することを意識する。
2023年10月 1ヶ月に2曲ペースを目標に曲を作る
作曲歴約2年にして、ようやくミキシング(EQ)がわかってきたような感覚になりました。
それぞれの楽器の低音部、中音部、高音部の周波数分布にも見慣れてきて、各楽器パートの適切な音量バランスも書籍から学びました。
今までなんとなく使っていたイコライザーやコンプレッサーを、その役割をしっかりと自分の中に落とし込んだ上で使えるようになりました。
しかし、ミキシングまだまだ奥が深そうです。完全に理解したわけではありません。
今まで書籍やネットを何度も見返して断片的に学んできた知識が(点と点が)繋がった。という感覚です。
EDMは音をいくつも重ねるので、周波数が被りやすく音が篭りがちです。
そこをどう処理していけばいいのが本当にわからず苦しみの日々です。
- ギターの打ち込み音作りへの理解を少し深める(奏法の使い分けやアンプを使った音作りなど)
- 曲全体の音量を極端に上げたり下げたりして、どの音量でもバランスがおかしくならないようにミックスすることで、なんかいい感じになる(気がする)
- ピカソの名言「自分が何を作りたいかは、作り始めてみないとわからない」という言葉の通り、とにかくやってみないと方向性が見えてこない。
2023年11月 今の自分のレベルを客観視する
DTMを続けていくと、だんだんプロと自分の違いが嫌でもわかってきます。
プロを100とすると、今の自分は3くらいです。
ミックスのクオリティ、音源レベル、ボカロ調声、作詞作曲センス、すべてにおいてDTM歴2年やそこらでは全然足りない。それくらいの差を感じざるを得ません。
それにしても、DTMはやることが多すぎです。(ミックス、作詞作曲、打ち込み、楽器練習、音楽理論勉強など)
とにかく時間と労力がかかるので、満足いく作品ができるまでは辛抱と忍耐の日々です。
DTM歴約2年になった今は、あまり結果を期待してはいけないと感じています。楽しく継続。これが大事です。
- コンプレッサーのレシオやアタック、リリースの値は、楽器の立ち上がりとその後の残響成分をどう処理したいかによって決まる。
- AIツールは便利だが万能ではない。結局は操作する人間が本質を理解しなければどこをどうすればいいミックスになるのかが判別できない。
- 太い楽器ほど密度を高く(レシオをきつく)、高音域の楽器ほど空気感を演出(レシオを低く)する。
2023年12月 スランプで伸び悩む
もうすぐDTM歴2年ですが、ここ最近はクオリティが伸びない苦しい時期が続き、1日の作業量も減るばかりです。
プロは1日に何曲も作れるのに、自分はよくて1日に1時間程度しか気力が持ちません。恐ろしいほどの士気の低下です。
(頭に詰め込んだ理論にアウトプットが追いつかない感じ)
とりあえず、続けることだけを目的に継続です。
音像がモヤモヤするくらいならミニマリストになる
パートを増やしすぎて音が飽和して音圧が上がらない。というのが悩みでしたが、最近は「そうなるくらいならパートを究極まで削ってシンプルにすればいいではないか」と気づき、ミニマムな曲作りを意識しはじめました。
ミックスのことをまだよくわかっていないのにパートだけを増やしても、ミックス迷子にハマっていくだけでした、、
音量バランスさえとれていれば最低限聴ける音圧にできる
初心者のうちは、とにかく各楽器の音量バランスをできるかぎりベストな状態に近づけることが先決かもしれません。
バランスさえ取れていれば、マキシマイザーを2段階くらいかけるだけで音圧は上がるからです。
そして、曲を書き出して波形が見えるようにして、波形が飛び出た部分があれば音量レベルを見直したり音源の重なりを削ったりコンプレッサーでピークを潰して波形を平坦にします。
さらに、EQを使って各音源に不要な周波数を削り、調和させます。
バッキングギターなどは左右に振ってボーカルとのぶつかりを回避します。
ここまですれば、とりあえず最低限聞き苦しくないものはできます。
ちなみに、音量バランスを整えるコツは、「各音源の音量を極端に下げたり上げたりして、ちょうどいいところを探る」ことです。
リバーブ、ディレイ、フィルター、ディストーションなどの空間、歪み系プラグインはまだ難しい
表現レベルの高いミックスを実現するには、上記のプラグインを自由に使いこなす必要があります。
- いきなり作り始めるのではなく、リファレンス(参考曲)を3つほど用意し、その曲で使われている音とできる限り近い音源を一式用意しておくと、全体像が掴みやすい。そして、そのジャンルのお約束のような共通項はしっかりと取り入れる。(シティポップなら、カッティングギターを入れるなど)やはり真似が近道。
まとめ
1年目は純粋に曲作りが楽しかったのですが、2年目になると色々な課題や至らなさが見えてきて苦しさの方が多かったという印象です。
しかし辞める気は全く起きないので、2024年も生活をDTMに捧げます。
- 現状、クオリティが低すぎるミックスを最低限聴けるレベルに持っていく
- YouTubeのチャンネル登録者を1000人以上に増やす(おそらくミックスのレベル次第)
- 音楽の収益をもっと増やす
- ギターとベースの録音を自分でできるようになる(打ち込みではなく生音で)
- DTMを極める者として、ボカコレでトップ100に入る or 何かしらのコンテストで上位に入る
- 結局曲が良くなければ結果はついてこないので、とにかくいい曲を作る
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